2026年のピッチデックスライドデザイン10選(全て編集可能)
先月、ある創業者からシードラウンドのピッチデックが送られてきて、「なんだかジュニアっぽく見えるのはなぜか」と聞かれました。ストーリーは悪くない。数字も本物。けれど3枚目は白地に中央揃えの Montserrat、7枚目はストック写真の上に左揃えの Georgia、12枚目には他のどこにも出てこない6色の円グラフ。11枚のスライドに、4種類の書体、3つのレイアウト体系。
1枚ずつ見れば、どれも間違ってはいません。間違っていたのはデック全体です。会ったことのない4人が寄せ集めて作ったように見えたからです。
ピッチデックのデザインについて誰も教えてくれないのは、この点です。投資家はスライドを1枚ずつ採点してはいません。彼らが形づくっているのは、「この人は物事を最後までやり切るタイプか」という印象です。20枚を通して一つのビジュアルシステムを保つデックは我々には審美眼があり、一貫していると語ります。3枚ごとに人格が変わるデックはその逆を語る——トラクションがどれだけ良くても。
なのでこの記事は階層の講義ではありません。10通りの異なるスタイルで仕上げた10枚のスライド——モックアップではなく実物のデザイン——です。どれか一つを指して「自分のデックはこうあるべきだ」と言えるように。各スライドには生成したプロンプトと、開いて編集するためのリンクを添えました。会社は架空です。レイアウトは架空ではありません。
このピッチデックデザイン実例の使い方
スタイルは一つだけ選んでください。いちばん綺麗だと思うものではなく、自社が実際に何者であるかに合うものを。開発者向けツールのシードラウンドが淡いピーチ色だと「混乱している」と読まれます。子ども向け睡眠アプリが蛍光イエローのブルータリズムだと「攻撃的だ」と読まれます。スタイルは自分が何者かについての主張であり、投資家は見出しよりも先にそれを読みます。
そして、そのシステムで全スライドを組んでください。以下の10枚はあえて異なるスライドの種類(課題、トラクション、市場、ビジネスモデル、資金調達額)にしてあります。各スタイルが別々の仕事をどう処理するか見せるためです。ただし実際のデックでは、一つを全ページに適用します。
1. 巨大な数字

指標を一つだけ、極端に大きく置き、それ以外はすべて脚注に格下げする。スライド全体が一つの主張です。声に出した時には、部屋はもう読み終えています。
向いている人: トラクションがデックで最も強い材料である人。成長数値こそが二度目の面談を得る理由なら、それをグラフの中に埋めてはいけません。
ここでの規律は引き算です。下部の補足指標は最大でも3つ。4つ目を足した瞬間、巨大な数字は巨大でなくなります。
1920x1080 のピッチデック用トラクションスライドを濃紺の背景で作って。左上に巨大な白い数字「420万ドル」を配置し、その下に1行「年間経常収益、12か月で3.1倍」。細い区切り線を挟んで、小さな指標を横一列に3つ:有料運送会社312社、売上継続率128%、CAC回収期間11か月。上部に小さな青いキッカー「トラクション・2026年第2四半期」。
2. スイスグリッド

上下のヘアライン、番号付きのセクション記号、重いサンセリフ1書体の2ウェイト、そして強調のすべてを担う赤いアクセント一つ。偶然の空白ではなく、意図された余白です。
向いている人: BtoB とフィンテック。「厳密さ」として読まれます。ソフトウェアを売り込まれる財務担当者に感じてほしいのは、まさにそれです。
どこに予算を割いているかに注目してください。見出しは巨大で、本文は小さく右の細いコラムに押し込まれています。この非対称こそがスタイルのすべてです。ここで何かを中央揃えにすると壊れます。
1920x1080 のピッチデック用課題スライドを、スイス・インターナショナルスタイルで作って。オフホワイトの背景、上下に細い黒罫。セクション番号「01」を赤で、その下にラベル「課題」。黒い見出しを3行:「消込は、いまだに表計算ソフトの上で動いている。」——最終行は赤。右側の細いコラムに補足の短い段落を3つ置き、縦のヘアラインで区切る。フッターは「LEDGERLINE・2026年シードラウンド」とページ番号03。
3. ダークデベロッパー

ほぼ黒の背景、等幅フォント、彩度の高いアクセント色を一つ(たいてい緑かシアン)、そして枠付きパネルに収めた実際のコード。キッカーはシェルのプロンプトです。
向いている人: 開発者ツール、インフラ、API 企業。買い手はエンジニアで、投資家もおそらく元エンジニアです。設定を6行見せる方が、「連携は簡単です」と主張する段落より効きます。
本物のコードを。ダミーのコードではなく。スライドのスニペットが実際には動かないものなら、部屋にいるエンジニアは気づきます。ただで信頼を失う唯一の細部です。
1920x1080 のダークな開発者向けピッチデックスライドを作って。ほぼ黒の背景、緑のアクセント。等幅のキッカー「~/relayd $ how-it-works」。見出しは2行:「決して静かに失敗しない」/「Webhook。」——2行目を緑に。補足の一文の後、小さな緑の四角を付けた等幅の箇条書きを3つ:配信SLA 99.99%、任意のイベントをいつでも再送、初日からSOC 2 Type II。右側に枠付きの暗いコードパネルを置き、シンタックスカラー付きの JavaScript 設定を6行表示。
4. エディトリアル・セリフ

大きなディスプレイセリフ、温かみのあるオフホワイトの地、そして落ち着かないほどの余白。アクセント図形が2つ、写真はなし。スライドというより雑誌の見開きのように読めます。
向いている人: ビジョンやミッションのスライド、消費者ブランド、食、ホスピタリティ——ピッチの一部が美意識である場面。数字ではなく一文を支えられる、このリストで唯一のスタイルです。
落とし穴はデータスライドに使うこと。これほど柔らかいセリフを棒グラフの隣に置くと、2つのデックを貼り合わせたように見えます——まさにこの記事の冒頭で挙げた失敗です。
1920x1080 のピッチデック用ビジョンスライドを、雑誌のエディトリアル風で作って。クリーム色の背景。字間を空けた小さなキッカー「ビジョン」。濃緑の Playfair Display による大きな見出しを3行:「半径50キロのすべての農場を、一つの棚に。」——最終行はテラコッタ色。短い罫線の後に補足文を2行。右側にテラコッタと濃緑の重なる円を2つ、静かなアクセントとして。余白をたっぷり。
5. フルブリード写真

端から端までの写真、画面全体にかかる暗いスクリム、その上に重い書体。デックの中で1〜2回使えば強く効きます。全ページで使えば壁紙になります。
向いている人: 市場スライド、気候、ハードウェア、不動産、物流——物理的な世界そのものが機会である場面。
成否を分けるルールが2つ。スクリムは文字の領域だけでなくキャンバス全体を覆う必要があります。半分の高さのパネルはスライドの中央に見える継ぎ目を残します——このスライドの最初の試作でまさにそうなりました。もう一つ、写真は実際の対象を写していること。ありふれた屋根の空撮は何も語りません。パネルの載った屋根は、口を開く前に論点を語ります。
1920x1080 のピッチデック用市場スライドを、屋根の太陽光パネルのフルブリード写真の上に作って。画像全体に濃紺のスクリムをかける。左上に字間を空けた黄色のキッカー「市場・米国住宅用太陽光」。左下に短い黄色の罫線と3行の太い見出し:「8200万戸の屋根。パネルが載っているのは5%未満。」——最終行は黄色。右下に指標を一つ:「380億ドル」の下に「2030年までの年間設置額」。
6. スプリットスクリーン

べた塗りのカラーブロックがスライドの40%を占めて主張を担い、白い60%が根拠を担います。この比率はどんな内容にも耐えるので、このリストで最も使い回しの利くレイアウトです。価格表をチーム一覧やロードマップ、競合比較表に差し替えても成立します。
向いている人: ビジネスモデル、価格、「競合との比較」のスライド。初めてデックを作っていて、レイアウトの判断を10回もしたくない場合の、最も安全な出発点でもあります。
カラーブロックは本当にべた塗りのままに。ここにグラデーションを置くのは、デックを2014年のテンプレートに見せる最速の方法です。
1920x1080 のピッチデック用ビジネスモデルスライドを、スプリットスクリーンで作って。左40%はべた塗りの濃い藍色パネルで、キッカー「ビジネスモデル」、白い3行の見出し「1席。3プラン。受託ゼロ。」、短い補足文を1つ。右60%は白地:見出し「価格」の下に罫線、その下に細い罫線で区切った価格行を3つ——Studio 1席あたり月49ドル、Agency 月390ドル、Enterprise は応相談——それぞれに1行の説明を添える。
7. データダッシュボード

左にグラフ、右に指標カード、すべて濃いチャコールの地に温かいアクセント色を一つ。最後の2本だけがアクセント色で残りは沈めてある——軸ラベルを誰かが読む前に、グラフがあなたの代わりに論じています。
向いている人: シリーズA以降。「成長しました」が文ではなく形でなければならない段階です。
ここで私が譲らない点が2つ。ラベルは最初と最後の四半期だけ。色を付けるのは意味のある棒だけ。8本すべてに8色のラベルを付けたら、それはスライドではなく表計算のスクリーンショットです。グラフ選びを掘り下げたい方へ——棒・折れ線・円グラフについて記事を1本書いています。
1920x1080 のダークなピッチデック用トラクションスライドを作って。チャコールの背景、アンバーのアクセント。キッカー「成長・処理GMV」、見出し「8四半期、一本の線。」。左側に右肩上がりの棒グラフを8本——最初の6本は沈んだ濃紺、最後の2本はアンバー——細いベースラインの上に置き、左端に「2024年第3四半期」、右端にアンバーで「2026年第2四半期」。右側に枠付きの指標カードを3枚:処理GMV 6100万ドル、売上継続率142%、月次解約率0.9%。
8. ソフト・コンシューマー

温かみのあるニュートラルな地、柔らかいセリフ、丸みのある形、そして表ではなくピル型に収めた指標。レイアウト上の硬い角は、意図的にすべて丸めてあります。
向いている人: 消費者向けアプリ、ウェルネス、子ども向け、DTC。企業をやさしく見せるスタイルで、製品が誰かの家の中で使われる時にはこれが効きます。
スタイルを問わず盗む価値があるのがピルです。短い指標3つを独立したオブジェクトとして置くと、同じ3つの数字を文中に入れるより速く読めますし、見出しの後で視線が着地する場所になります。
1920x1080 の消費者向けピッチデックスライドを、柔らかく温かい雰囲気で作って。ピーチクリームの背景。キッカー「MILO・ちいさな人のための睡眠」。濃い茶色の柔らかいセリフで3行の見出し:「おやすみを、3杯目の水なしで。」——最終行はバーントオレンジ。補足文を1つ。その下に白いピルを3つ置き、18万世帯、App Store 4.9、11分早く、と入れる。右側にピーチとセージの大きな円を重ねて配置。
9. ブルータリスト

黒、蛍光色を一つ、キャンバスが許す限り大きな書体、上下に太い帯。装飾は一切なし——スケールそのものが装飾です。
向いている人: 資金調達額のスライド、まさにそれ専用。多くのデックは長い前置きの後、最後に小声でラウンドを告げます。これは言い切ります。マーケットプレイス、現場仕事向けのテック、反権威的な物語を持つ会社ならデック全体で通せます。それ以外の人は、1回だけ。
1回だけ使うなら、最も憶えて帰ってほしい数字に使ってください。
1920x1080 のブルータリストなピッチデック用資金調達スライドを作って。真っ黒な背景の最上部と最下部に、太い蛍光イエローの帯。黄色のキッカー「GRIT — 調達について」。スライドを埋める巨大な2行の見出し:白で「私たちは調達しています」、蛍光イエローで「300万ドル」。太い黄色の罫線の下に資金使途を3列:55% 6都市の営業採用、30% マーケットプレイスの流動性、15% コンプライアンスと給与基盤。小さな灰色のフッター「2026年9月クローズ」。
10. フロー図

パネル3枚、番号付きの円、その背後を走る細い線、間隔ごとに小さな点。冷たい明るいグレーの地に、深いアクセント色を一つ。「どう動くか」のスライドであり、創業者が最も作り込みすぎるスライドでもあります。
向いている人: ヘルスケア、マーケットプレイス、フィンテック、物流——製品が画面ではなくプロセスである場面。
3ステップ。5でも7でもなく。フローが本当に7段階あるなら、3つにまとめて詳細は付録へ。7つの箱が並んだスライドは、部屋の全員が読み飛ばします。私たちのものが左から右への直線なのには理由があります。図の仕事は2秒で理解されることであって、網羅することではありません。
1920x1080 のピッチデック用「仕組み」スライドを、明るいグレーブルーの背景で作って。ティール色のキッカー「仕組み」と、濃い色の太い見出し「紹介から初回投与まで、3ステップ。」。その下に細い枠線の白いパネルを3枚等間隔で並べ、水平線でつなぎ、間隔ごとにティールの点を置く。各パネルには番号入りのティールの円、太字のステップ名——紹介が届く、施設をマッチング、来院を予約——と補足文2行。フッターは「CADENCE・シリーズA」。
Ridvay Studio で1枚作ってみる
上のスライドはすべて同じ作り方です。一文を入れると、編集可能なデザインが返ってきます。ここでは巨大な数字のスライドを例にします——多くのデックが必要とし、多くのデックが外すページです。
これを Studio に貼り付けてください:
1920x1080 のピッチデック用トラクションスライドを濃紺の背景で作って。左上に巨大な白い数字「420万ドル」を置き、その下に「年間経常収益、12か月で3.1倍」の1行。細い区切り線を挟んで、小さな指標を横一列に3つ:有料運送会社312社、売上継続率128%、CAC回収期間11か月。上部に小さな青いキッカー「トラクション・2026年第2四半期」。
返ってくるのは平坦な画像ではありません。本物のデザインです——数字はテキストレイヤー、区切り線は図形、キッカーは独立した要素。だから次の4つの編集こそが実際の作業になります:
- 大きな数字をクリックして自分の数字を入力する。 より長い場合(
420万ドルではなく1240万ドルなど)は、右マージンの手前で止まるまで文字サイズを下げてください。その余白こそがデザインです。埋めてしまうとスライドは窮屈になります。 - 下段の3つの指標を自分のものに差し替える。 本当に良いものが2つしかないなら1つ削ってください。引き算がこのスタイルです——4つ目の指標は巨大な数字を殺します。
- キッカーとアクセントバーを自社のブランドブルーに変える。 一度ブランドキットとしてパレットを保存すれば、以降のスライドが自動で引き継ぎます。書体4種・体系3つのデックを避ける方法がこれです。
- 次のスライド用にページを複製する。 マージン、キッカーの位置、区切り線はそのままにして、内容だけを変えてください。この反復こそが、「デザインされて見えるデック」の全部の秘訣です。
1枚からデック全体へ
1枚だけなら簡単な部分です。残りについての覚書をいくつか:
サイズは一度だけ、1920×1080 で決める。 フルHDの16:9で、あらゆるプロジェクター、Zoom の画面共有、PDF書き出しが前提にしている寸法です。この大きさで作れば、二度と考えずに済みます。
PowerPoint ではなく PDF で書き出す。 投資家はスマホでデックを開きます。PDF はどこでも同一に表示されますが、.pptx は相手のPCにたまたま入っている書体で表示されます。丁寧に組んだ見出しが他人のノートPCで Calibri になるのはこれが原因です。Studio は書き出しメニューからページを PNG または PDF で出力できます。
付録は不格好なままでいい。 本当に。付録はデューデリの質問に答えるためのもので、そこを作り込むのは、1〜12枚目に充てるべき唯一の午後を浪費することです。
スタイルガイドではなく、スライドを使い回す。 自分のデックのデザインシステムについて文書を書かないでください。完成した1枚を複製して、文字を上書きする。その方が速いし、月曜の面談前、午前2時の修正を生き延びる一貫性はそれだけです。
ビジュアルではなく論の側——スライドに実際に何を載せ、どの順に並べるか——が知りたい場合は、刺さるピッチデックスライドの作り方とAIでプレゼン資料を作る方法で扱っています。
1つ選んで始める
上に戻って、いちばん綺麗に見えるものではなく、自社に似ているスタイルを選び、開いてください。上のスライドはすべて編集可能な Ridvay の実データです。「開いて編集」のリンクを押せば、レイヤーをそのまま保った状態で Studio に読み込まれ、あとは上書きするだけです。
そして残りの19枚を同じシステムで組んでください。ジュニアに見えるデックとそう見えないデックの違いは、それがすべてです。