卓上POPの作り方:売るのは一品だけにする
先週、カフェの席に座って測ってみました。卓上POPは顔から約50センチ、向こう側へ30度ほど傾いていて、店員さんが来るまでに眺めた時間はおよそ4秒。その4秒のあいだに、そのカードはドリンク6種類と、ポイントアプリと、Wi-Fiのパスワードと、最近ケータリングも始めたことを伝えようとしていました。
私はいつもどおりフラットホワイトを頼みました。
卓上POPは、飲食店でもっとも無駄になっている面です。すでに席に着き、お金を使うと決めていて、しかも読むものを探している——そんなお客さんに届く唯一の印刷物なのに、ほとんどのPOPはチラシのように埋められます。店が言いたかったこと全部を、9ポイントに縮めて。
この記事はたった一つのルールの上に立っています。卓上POPは、たった一品だけを売る。 カテゴリーではなく、「ドリンク各種」でもなく、一品、一つの価格、一つの理由。それ以外は全部、足場にすぎません。
一品がミニメニューに勝つ理由
お客さんの手元には、すでにメニューがあります。POPに何を書こうと、それは「売っているもの全部が順番に、価格つきで並んだ書類」と競争することになる。メニューにメニューで勝つことはできません。
POPにできてメニューにできないのは、決定が起きているまさにその瞬間に、一つの決定へ圧をかけることです。「クロワッサンを+250円で」はテーブルの上だと効きます。読んでいる人はドリンクメニューを持っていて、まだ食べ物のことを考えていないから。同じ一行がメニューのベーカリー欄に埋まっていても、何も起きません。
だからデザインツールを開く前に、これに答えてください。どの一品が、注文するテーブルが10%増えたらレジで実感できるか。 たいていは粗利の高い追加品(サイド、デザート、サイズアップ)か、暇な時間帯の施策(14〜17時はどこの店でも空いています)か、存在を知られていないから誰も頼まない新商品です。
それを選ぶ。カードはもう、その一品の話になります。
誰も教えてくれない寸法と折り
卓上POPは、半分に折って底に差し込みのフラップをつけた一枚の紙です。ここでつまずくのは、仕上がりサイズと制作データのサイズが違うから。
よくある仕上がりは 10×15センチ。つまり平面のデータはおよそ 10×31センチ——15センチの面が2つと、下に折り込む1センチ強のフラップ。印刷所によっては、2つの面を10×15の別ページで受け取りたがります。作り始める前に確認を。
最初から織り込んでおく3点:
- 塗り足し。 各辺3ミリ、大事な要素は仕上がり線から6ミリ以上内側へ。どんな印刷物でも同じ規律で、ターポリンのレイアウト記事で詳しく書いています。15センチでも2メートルでも同じです。
- 折りは数ミリ食う。 上の折り線をまたぐもの(ロゴ、写真、帯)は、片面でわずかにずれます。
- 下の2.5センチは死に領域。 テーブルに立てると視線より下になり、混んだ卓では塩入れや誰かのスマホの陰になります。
2つの面は「同じ面」ではない
POPには面が2つあります。同じものを2回刷りたくなる——それでいいですし、2人席ならそうします。
4人席やカウンターでのより良い版は、見出しは同じ、根拠だけ変える。A面はオファー。B面は同じ見出し、同じ価格に、証拠を一行足す——短いレビュー、「毎日店内で仕込み」、素材名、実物の写真。印刷代は1円も変わらず、テーブルの2人目は別の「うん」の理由を受け取ります。
面のあいだで絶対に変えないもの:見出しと価格。同じオファーかどうかを確かめるためにカードを回さないといけないなら、そのカードは失敗です。
「座っている人」のための文字サイズ
ポスターは3メートル、チラシは30センチで読まれます。卓上POPは約50センチ、斜めから、店の照明——だいたい暗い——のなかで読まれます。
みんなが忘れるのが、この角度です。画面に平置きでちょうど良く見える文字は、傾いた瞬間にほぼ一段分小さく効いてしまう。10×15センチ面での実用値:
- 見出し:34〜44pt。 2〜5語。「アイスラテ 2杯で1杯分」。「午後のドリンクキャンペーン」ではなく。
- 価格または行動指示:商品名より大きく。 もっとも無視されるルールです。人は先に数字を読み、そこから決めます。
- 本文:12〜14pt、1行、多くて2行。条件は9ptで、見える範囲の中に。
- コントラスト:明るい面に濃い文字、またはその逆。中間色に中間色は禁物。 料理写真の上に文字を置くなら、先に写真を暗くする。手順は写真の上で文字を読ませる方法に。
QRコードを入れるなら、一辺2センチ以上、まわりに余白、そして「読み取ると何が起きるか」の一行を。「スキャンでメニュー全体へ」は効きますが、黒い四角だけでは効きません。この議論はチラシのQRコードの記事にありますが、卓上ではもう一点——人は座ったまま片手でスキャンするので、コードは面の下半分に置いてください。
Ridvay Studioで作る
実際の例です。Ember Coffee、14席、午後がまるで暇なカフェ。14時から17時のあいだにアイスラテを動かしたい。一品、一つの時間帯、一枚のカード。
Studioを開いて、これを貼り付けます:
「Ember Coffee」の縦型10×15センチ卓上POP。大きな見出し「アイスラテ 2杯で1杯分」、サブ「平日14:00〜17:00、店内のみ」、大きめのバッジに「スタッフにお申しつけください」、上部にアイスラテの写真、下部にロゴと「スキャンでメニュー全体へ」と添えたQRコード。温かみのあるクリーム色の背景、濃いブラウンの文字、すっきりしたサンセリフ。余白を広めにとった印刷用データで。
返ってくるのは編集できるデザインです。見出し、サブ、バッジ、写真、QRはそれぞれ別のレイヤーで、選んで打ち直し、色を変え、動かせます。一語直すたびに作り直す平らな画像ではない——ここではそれが効きます。価格も変えるし、時間帯も変えるし、来月には飲み物ごと変えるからです。
そのうえで、上のルールから直結する4つの編集を:
- 価格バッジを商品名より大きく引き伸ばす。 数字が理由で、名前はただのラベルです。
- 写真が甘いなら、クリーム色のベタ面に差し替える。 きれいな面に大きな文字は、いつでも凡庸な写真に勝ちます。
- QRを下1/3へ移動し、その下に「スキャンでメニュー全体へ」を足す。
- ブランドキットを適用して、ロゴ・2色・書体を一発で揃える。POPとメニューと店頭の看板が、ようやく同じ店の顔になります。
あとはページを複製して2面目に。見出しと価格はそのまま、本文の行だけ根拠に差し替えます(「毎週火曜、店内焙煎」)。
卓上POPが死ぬ3つのパターン
並べてしまう。 10ptで6種類のドリンクは、誰も頼んでいないメニューです。40ptで1種類なら、それはオファーです。
期限も条件もない。 「アイスラテ 2杯で1杯分」はただの思いつき。「平日14:00〜17:00」は、今頼む理由になります。
きれいだが読めない。 筆記体、細いウエイト、ベージュ写真にクリーム色の文字。意味のある方法でテストしてください——印刷して、折って、実際のテーブルに立て、座って、自分の椅子から見る。身を乗り出さないと読めないなら、それは間違いです。
印刷に出す前に
オフィスのプリンタで1枚刷り、折って、いちばん忙しい席に立ててください。見るのは4点。座ったまま見出しが読めるか、価格がカード上でいちばん大きい数字か、胸の高さのスマホでQRが読み取れるか、大事なものが下2.5センチに落ちていないか。直してから入稿を——250枚のコストは、売ろうとしているコーヒー3杯ぶんくらいです。
そして、ほとんどの店が忘れることを一つ。差し替える日をカレンダーに入れる。 8か月同じ卓上POPは、もう家具です。家具は誰の目にも入りません。
埋めたい暇な時間帯がありますか。オファーを書いて、編集できる卓上POPを受け取る → ——そこから価格を変え、写真を差し替え、ブランドキットを当てて、あなたの店の顔にしてください。